TKの山とか日常、時々虫取り

山行記を書くために始めました。色々書いてみたいです。

John Muir Trail セクションハイク山行記:道端 ⇒ Alger Lake(登山2日目)

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nature-enjoy.hatenablog.com

この記事の要約

 ふて寝から目を覚ますが状況は変わっていなかったので、とりあえず前へ歩き出すTK。おじさんから虫除けをもらい、雨に打たれながらも歩み続けたその先には、進むごとに様々な表情を見せる圧巻の景色が待っていた。そして2日目の難所であるKoip Passを完全攻略し、峠の頂で高らかに宣言する。

「ブッ殺した・・・!!」

2日目の行程

 2日目はこの旅行で最長の行程となった。しかも中盤にはKoip Pass(3810m)があり、Alger Lake到着時には満身創痍だったが、無事昨日の遅れを取り戻した。

道端 ⇒ Parker Pass

 朝目が覚めると、私は傾いたテントに横たわっており、横にはクソ重いバックが鎮座していた。どうやら昨日から状況は一切良くなっていないらしい。嘆いても仕方がないので朝食として素麺をすする。水が少なかったのか、粉っぽくて美味しくなかった。
 とりあえずテントを片付けていると、登山道から足音が。見ればこんな朝早くから下山をしている、綺麗な白髭のおじさんが歩いていた。 僥倖!このおじさんに虫除けのワンプッシュでもいただこうではないか!すぐさま走り寄り、挨拶をかます。そして虫除けをワンプッシュ頂戴をおねだりしてみた。
 返事はOK!うぉぉぉ神に感謝。皆さんアメリカはいい所です。そして全身にプッシュした後、おじさんに虫除けを返そうとすると、それを再び私に差し出しておじさんはこう言った。
「No, Keep it」
 ありがとう、優しいおじさん。こうして私は、おじさんから新品同然の虫除けを頂いたのだった。今思い返せば、この一言のおかげで私は最後まで歩を進められたのかもしれない。それ程に愛と勇気をもらった。

 心機一転歩き出す。昨日までの辛さはどこに行ったのか、心も体も軽くなっていた。雨も降りだしたが幸いにも小雨。雨具に着替え歩き続けると、登山道は針葉樹林を抜け一面の草原・礫地帯に進んでいく。
 高所の草原・礫地帯に視界を遮るものはなく、未だに雪が残る山々が目の前に姿を現した。遠くにオグロジカの群れも見える。その姿に見とれていると、奥に視界で唯一の人工物が。そこにはParker Passと書かれた看板があった。

左:森林を抜けた草原 右:Parker Passの看板

Parker Pass ⇒ Koip Pass

 Parker Passを越えると若干の下り調子に。歩きやすい登山道をルンルンで進むと、奥にいくつかの小さな湖が姿を現した。 いい景色!少しの間この景勝地で休憩。休憩しながら地図を確認すると、本日のメインディッシュであるKoip Passが見えることに気が付く。 あれ登るん!?誰作ったんこんな道!?と少しは思ったが、後ろ向きなことを考える私はもう過去の話。「あれ登ったらかっこいいな」と前向き私しかその場にはいなかった。体力も回復したので、礫と雪を踏みしめ出発。

 トレランシューズのため雪に苦戦しながらも前進。次第に前の景色が開け、遠くには道路まで見えるではないか。このまま直線番町すればもう登らなくてもいいのでは?と邪念が浮かぶ。そうこうしているうちにKoip Passの根元まで到着。近くの湖で最後の補給をし、いざ尋常に勝負。

 特に特筆すべきことはない。ただ上へ登った。この時ばっかりは、自分は山を登る機械だった。一息ついた時に景色を楽しみ、また無心で登る。高校山岳部時代、1番体力がなく先輩達に必死に追いついていた時を思い出す。そしてKoip Passの九十九折りが終わり、緩やかな登りとなったときに後ろを振り返ると、圧巻の景色が。自分の周りにあるのは礫と雪、下を見れば心なしかの草原地帯。今まで見たこともない景色に「自分は辺境の地にいるのかも...」そう思わせる光景だった。

 一方で、少し不安も募らせた。ここは今日歩いてきた道を一望できる場所だが、人っ子一人見当たらない。もしここで動けなくなりでもしたら、少なくとも1日は誰も現れない事だろう。登りは残り少ないが、ここからはさらに慎重に歩ていった。

 先の緩やかな登りの登山道は礫のみで作られており、さながら火星を思わせるような雰囲気だった。ゆっくり進んでいくと遠くには小さな看板が。掠れた文字をよく見ればKoip Passの文字が見える。私は完全勝利を確信し、片手を上に掲げこう宣言した。

「ブッ殺した・・・!!」※

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左:休憩地点からの景色 右:遠くから見たKoip Pass
左:Koip Passの途中。下に今まで歩いた道が見える。 右:Koip Passの最高点

Koip Pass ⇒ Alger Lake

 Koip passを越えれば、すぐにこの先進むであろう道とAlger Lakeを一望できる場所に来た。氷河が長い時を重ねて作り出したであろう地形が一望できる、絶景だ。ここからしばらくこの景色を見ながら歩け、その中へ入っていけることに心を躍らせた。
 登ってきた道と同様に下りの道も九十九折りだ。礫の中の浮石を踏まないように慎重に降りていく。次第に近づいてくる氷河に見とれながら降りていけば、九十九折りも終わった。もう少し行けばAlger Lakeだ。Koip Passから見えたあの湖畔にテントを張れたらなんて心地いいのだろうか、そんな考えをしていたらAlger Lakeに到着。

 あまりにも綺麗!静かな湖畔の奥には荒涼とした山々と、湖を作りだした氷河が望めた。登りに夢中で昼食を取り忘れていたので、遅めの昼食を取りながらテントを張る。
マジでサイコォォォォォの気分! この景色が見れたなら、今日頑張った分を差し引いてもおつりがくるだろう。湖畔をお散歩しならが水を補給し、太陽が山々に隠れると同時に寝袋に入った。

 夜中、寒さで目が覚める。用を足しに外へ出て見れば満天の星空があった。慌ててカメラと三脚を抱えて撮影タイムに移行。あまり星空の撮影経験はないがなんのその、圧倒的な煌めきがカメラに吸い込まれてくる。色んな角度で撮影した後、寒くなってまた寝袋へ。

 今日という日を味わいつくし、明日は遂にJohn muir trail合流とこのルート最大の目玉であるThousand Island Lakeへ出発する。明日もきっと歩き切れる、そんな気がした。

左:今後のコースを一望 右:本日のキャンプ地

満天の星空

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John Muir Trail セクションハイク山行記:Mono登山口 ⇒ 4km先の道端(登山1日目)

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この記事の要約

 ついに登山道に足を踏み入れたTK。日が落ちるまで約2時間の間に可能な限り進むことを決意するが、重い荷物・大量の蚊にわずか4km前進したくらいで心を折られる。なんかむしゃくしゃしたので、その場でテントを張りふて寝することにした。頑張れ!明日の自分!

 

1日目の行程

 1日目は難所は無いが行動時間が短いため、距離を稼ぐことがポイントとなる。結果的には予定より進めないのだが。

 

山登りスタート!

 ついに登山道へ足を踏み入れる。John Muir Trail本線に合流するまでの2日間、この名前もよくわからない道を歩くことになる。
 道の両脇には松の針葉樹林が広がり、その隙間からは急峻な山々が顔を覗かせている。そして地面に目を向ければ、草原の中を小川がこうこうと流れていた。しばらく歩いていると、右手から何やら物音が。見るとオグロジカだろうか、私の気配を察知し、黒い尾をピョコピョコさせながら走り去っていた。
 こんな景色はカナダ以来、3年ぶりだ。雄大な自然・豊かな生態系に圧倒されながらも、その中に自然と自分が溶け込んでいくのを感じた。

楽しい記事はここまで、ここからは辛い話

 現在の時刻は17:30。明日のためにも、日が落ちる前にできるだけ距離を稼ぎたい。そんな私の足を鈍らせる2つの問題に、出発から30分で直面してしまった。

 1つは荷物の重さ。日本を出国した時には23kgだったが、追加の食料 + 2Lの水でさらに重さを増していた。恐らく30kg近くはあったんじゃなかろうか。これほどの荷物を背負っての登山はこれが初めてで、しかも標高は開始時点で3000km付近。荷物が重いせいか空気が薄いせいかはわからないが、少しの登りで息も絶え絶え、少し頭痛も感じてきたのを覚えている。歩き続けるのはかなりしんどくて、途中所々立ち止まってしまった。そしてそれを狙い撃つかのように、2つ目の問題が襲ってきた。

 蚊があまりにも多い。歩いていても十数匹の蚊が纏わりつき、足を止めれば服の上から体全体を刺してくる。虫除けは必須との話はあらかじめ知っていたが、買うのをすっかり忘れてしまっていた。途中すれ違った下山している親子に、虫よけスプレーをおねだりすればよかったと後悔。

 そんな調子で美しくも苦しい登山道をテクテクあるいていたが、4km程で心の限界が来てしまった。ヨセミテ国立公園は登山道から30m程離れていれば、どこでもテントを張ってもいいので、おもむろにテントの設営を始める。平地が無かったので傾いたテントとなってしまったが、無事設営修了。蚊が多いのであまり外には出たくなかったが、買っておいたステーキを食べるために外で調理。明日のバックを軽くするために、予定より多めに食事をとった。

 食事を終え辺りも暗くなってきたので、テントの中へ入る。
 う~~~~~~~~~~~ん、不安だ。明日はこの登山道一番の難所となるKoip Pass(約3800m)越えも控えている。この大荷物でそんな場所まで行くん?どうしてこんなことに...
 考えても仕方がないので、とりあえず寝て明日考えることにした。頑張れ!明日の自分!

左:うぉぉぉ針葉樹林 右:うぉぉぉ山と草原と小川
左:肉。美味しかった 左:お兄さん傾いてますよ

 

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John Muir Trail セクションハイク山行記:東京 ⇒ Mono登山口

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この記事の要約

 注意文をよく読まなかったためアラスカ行きを断念し、John Muir Trailに目をつけるTK。初の韓国乗り継ぎ、アメリカ上陸で様々な衝撃を受けながらも、ヨセミテ国立公園に到着。登山口行きのバスで寝過ごし道路を戻っていると、アメリカ人女性に逆ナンされるのだった。

いざ、出発...の前にやらかし

 実は計画段階で大変なやらかしがあった。本来この旅行は「アラスカ・デナリ バックパッキング山行」になるはずだったのだ。
 アラスカまでの航空券(成田 ⇒ 仁川 ⇒ シアトル ⇒ アラスカ)を予約し、では色々詰めていこうかという段階になって、あることに気が付いた。デナリ国立公園の奥地へ続く橋が落ちているではないか。そういえば航空券を予約する前も、そんなことが書いてあった気がする。公式サイトはよく読もうね。

 という訳で予定変更。航空券の再予約費を極限まで抑えられて、尚且つ面白そうな場所を探し回った。そして見つけたのがJohn Muir Trailというわけだ。行きの航空券はキャンセルができなかったので、シアトル ⇒ サンフランシスコの航空券を予約し、シアトル ⇒ アラスカの飛行機はブッチした。成田空港で事前に伝えたおかげで預け荷物の受け渡しもスムーズにいった。

 本来褒められた行為ではないが、こうして私はサンフランシスコへと旅立つことになったのである。

いざ、出発

成田 ⇒ サンフランシスコ

 家を出発し、夜行バスで新宿に向かう。就職以来親の顔より拝んだバスタ新宿を後にし、そのまま上野に行き、スカイライナーで成田へ。コロナ明けの海外旅行ラッシュで、空港はとても混雑していた。

 航空機に乗り込み、まず韓国・仁川空港へ。無事到着し手荷物検査を受けるときに、とんでもない事件が起きる。めちゃくちゃ可愛い空港職員さんがいるではないか。ネットでみる韓流アイドルのような美貌に、TKは韓国再訪を決意。別れを惜しみながら、本場のスンドゥブとキムチを食べる。韓国人の友人にメッセージすると、「もっとおいしい物おごるからさっさと入国審査を通過しろ」と言われてしまった。何を言っているかわからないので、足早にシアトルへ出発。

 シアトル行きの航空機では、隣に中国人親子が座っていた。子供の方はまだ15歳で、アメリカの中学を卒業し、つかの間の帰省の後、再度アメリカに戻り高校に入学するらしい。彼はおしゃべりで色んなことを話してくれた。高校生活への期待や、日本と中国の違いなど、若々しい価値観の人間と話す時間はとても楽しかった。

 そんなこんなでシアトルへ到着し、初のアメリカ来訪! シアトル空港のクソ長い入国審査の列から脱したらお腹が減ったので、お弁当を買うことに。コンビニのちょっと大きなトルティーヤの値段を見てびっくり! 驚異の12ドル(約1800円)! これからの道中、まともな飯が食べれるのか、一抹の不安がよぎる... なにはともあれ、搭乗口で危うくフライトを寝過ごしかけるトラブルもあったが、無事サンフランシスコへの航空機へと乗り込んだ。

 そしてついにサンフランシスコ到着! 航空機が降り立つ頃には夜20時を回っていたが、日が長いと噂の「霧の都」はまだ十分に明るかった。明日からは鉄道での移動になるので今日はここで宿泊。円安の時世もあってお金がないので、空港のベンチで就寝。費用が掛からないというだけで、五つ星ホテルの称号をあげちゃいたいくらいだ。

左:成田空港の出汁茶漬け屋さん。右:仁川で食べたスンドゥブ

 

左:シアトル、地獄の入国審査 右:五つ星ホテル


サンフランシスコ ⇒ Merced

 空港のベンチは中々寝苦しかったが、充電もすることができ準備万端。今日から本格的なアメリカ旅行が始まる。今夜はヨセミテ国立公園への中継点、Mercedに宿を取っているのそこまで移動する。

 10時前Emeryville駅発のAmtrak(旅客鉄道)に乗るために、BART(電車)を使って最寄り駅のMacAthur駅へ移動。空港を出たBARTから最初に見えた景色は、一面霧に覆われたサンフランシスコの街並みだった。まさに霧の都。しばらくBARTに揺られ、霧も晴れてきたころにMacAthur駅に到着。

 ウキウキで電車を降り気づいた。 空気がクセェ。 雨の匂いを凝縮したような、土とコンクリの混ざり合った匂いが充満していた。道端にゴミも沢山ある。なるほど、そーいう感じね。この時は「駅前だけかな?」と思っていたが、都市部はどこへ行ってもこんな匂いがしていた。

 住宅街をテクテク歩いてEmeryville駅に到着。駅のホームと線路は信じられないほどシームレスにつながっており、奥には自殺予防ホットラインの看板が林立していた。ここはサンフランシスコの自殺の名所である、そう確信するには充分な光景だった。
 電車に轢かれないようにホームで待っていると、いかにも北米大陸な車両が到着。Merced行きに乗り込みしばし景色を楽しんでいたが、旅の疲れもあってか、すぐに眠りについてしまった。

 そして目を覚ませば、目を焼き尽くさんばかりのカリフォルニアの日差しが目に飛び込んできた。 目が痛ぇ! 外を見れば、どこまでも見える地平線、砂、農場。うぉぉぉアメリカって感じ!景色に興奮するのもつかの間、二度寝かまして起きる頃にはMercedに到着。Merced駅もシームレスな作りをしていた。

 駅を出て、本日の宿であるAirbnbへ直行。アメリカンなおじちゃんおばちゃんに快く迎えられ、3日ぶりのシャワーを浴びて体もピカピカに。シャワーを浴びたら、山行中の食料を揃えにWalmartへ。あまりの物価の高さに奥歯をガタガタ言わせながら、小売りの巨人の体内を散策。店内にはベビーカーからライフルまで揃っていた。
 あらかた物を揃えAirbnbへ戻ると、おじちゃんがファストフード店へ連れていってくれるということで、そこで夕食を済ませる。食事を終え、3日ぶりのベッドへゴロン。山を下りるまで最後のベッドを味わいながら眠りについた。

左:この日一番の大物 右:自殺の名所、Emeryville
左:Amtrakの車窓から 右:In-N-Out Burger


Merced ⇒ Mono登山口

 寝坊しないか不安だったが、7時半出発のバスに間に合うように起床。Airbnbのおじちゃんおばちゃんにお礼をいい、昨日電車を降りたMerced駅へ戻る。バスが遅刻しないかドキドキ。実は時間がギリギリで、1時間の遅れが出ると私は入山許可証を受け取れず、旅行は空中分解になってしまう。
 そしたらなんと、定刻より早くバスは到着!私の思うよりアメリカ人は働き者みたいだ。バスの乗り込みほっと一息ついたと思えば、気づいたころには周囲に建物は見当たらず、小高い丘と荒涼とした大地の景色。そして周囲には、高揚と不安の匂いが立ち込めていた。

 バスの中でぼーっとしていると、左手に断崖絶壁が見えてきた。これ、公園のHPで見たやつだ!ついにヨセミテ国立公園に到着!バスは40分程遅れており、ギリギリで公園事務所に駆け込む。事務所で基本的なルールの確認と入山許可証の発行を行い、これでやっと山に入る権利を手に入れた。あとは登山口行きのバスに乗れば晴れて登山スタートになる。時間があるので昼食と最後の食料補給、ヨセミテ渓谷の名所でもあるヨセミテ滝の根元までお散歩した。

 いい時間になったのでバス停に行きお昼寝をかましていれば、バス到着の音で目が覚める。うぉぉぉ旅の始まりだぜ!バスに乗り込みいざ出発!そして景色を楽しむ間もなく二度寝。目が覚めて現在地を確認すると、降りる場所を2kmくらいすぎているではないか。寝過ごした!慌てて運転手に伝え、道路に下ろしてもらう。やらかした... この時すでに5時を回っており、暗くなる前にできるだけ進みたかったのに... ボヤいても仕方がないので道路を逆走。まだ暗くもないし景色がかなりいい感じ、ウォーミングアップには丁度いいかと歩き始めたその時、ボロボロのセダンが私の横に止まった。

 「どこまでいくの?乗っていきな!」
 緑髪メッシュの女性が心配そうな面持ちで話しかけてきた。渡りに船とはまさにこのこと。人の好意に甘えるのは上手なので、迷わず乗り込む。
 彼女はヨセミテ公園からサンフランシスコに帰る途中のようだった。たった2kmの道のりだったが、激励とピスタチオのお菓子をいただいた。感謝を伝え車を降りようとすると、電話番号を聞かれた。なにかと思えばサンフランシスコに戻ったときに、一緒に食事をしようとのこと。 何このステキイベント~~!! 私のBIG BRAINが熱を持ち始めたが、あいにくアメリカの電話番号は持ち合わせていなかったので、相手の電話番号を控えて再開を誓った。

 思わぬイベントにドキドキが隠せなかったが、ついにMono登山口に到着。登山口の看板を見た時には、さっきの出来事は頭からすっかり消え去っていた。

左:街を出れば荒涼とした大地 右:ヨセミテ滝(バスの中から)
左:ビジターセンターにて 右:Mono登山口

 

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John Muir Trail セクションハイク山行記:準備編

 

はじめに

 2023/8/11 ~ 8/20に会社の休みを利用し、5日間 John Muir Trailのセクションハイクに行きました。といってもJohn Muir Trail本線の区間は非常に短く、実際歩いた場所はMono pass trailhead ⇒ Agnew meadowになります。今回は準備や山行中の記録などをまとめました。まず、準備編となります。

Banner PeakとThousand Island Lake

 (本記事はJohn Muir Trailハイクにあたって規定されているルールには、必要以上に触れずに書いていきます。)

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John Miur Trailとは

 下手なことを書くと怒られそうなので、詳細はWikipedia先生に一任する。

ジョン・ミューア・トレイル(John Muir Trail)は、アメリカ長距離自然歩道カリフォルニア州内を、ヨセミテ峡谷ヨセミテ国立公園)からマウント・ホイットニーまで、340キロメートルにわたって縦走する。トレイルの大部分はパシフィック・クレスト・トレイルの一部になっている。アメリカにおける「自然保護の父」と呼ばれるナチュラリストジョン・ミューアにちなんで命名されている。

ja.wikipedia.org

 簡単に言うと、世界でもかなり有名なロングトレイル登山道で、ロングトレイルの聖地とか呼ばれたりしている。最大の難所はPermit(入山許可)を取ることと言われており、340km全域を歩けるPermitを取るのは非常に競争率が高い。そのため、1回で歩き切るスルーハイクだけでなく、一部分だけを歩くセクションハイクの2つの方法で各々が入山している。

山行中の記事はこちら

nature-enjoy.hatenablog.com

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準備

 今回、準備でもっとも気を使った食料・移動方法の2点について書いていく。

 (装備について、今回の山行のために買ったものは、浄水器・ベアコンテナ・スコップ・お楽しみグッズ程度だったので割愛。使い慣れた装備そのまま、ウルトラライトなものは何一つ持っていかなかったので、私のザックはウルトラヘビーだった。軽量化は大事だと思いました。

食料について

初日だけ食べれる、開戦のステーキ

 食料については特に苦労した。
 実は、John Muir Trailに挑戦した段階で、テント泊山行の経験は浅く、高校の山岳部時代に1回、直前に練習で行った白山で1回の計2回しかなかった。そのため過去の日帰り登山や自転車旅行の経験から、空腹感と重量を鑑みて準備に取り掛かった。
 結果、「タンパク質多め」くらいにしか意識が回らず、ネットで紹介されてたおすすめ食材の中から、「半分は日本から持参、もう半分は現地で購入」と決めて適当に揃えた。
 まぁこれくらいあれば死なんやろと思いで出発したが、今思えばあまりにも適当で、最終日には大量の食材を携えて下山することになる。

 

 そのため、ここで紹介できるような機知に溢れた食事計画はないので、食料の中で持って行って良かったものと不要だったものを紹介していく。

良かったもの

Mountain Houseのフリーズドライ食品

www.amazon.co.jp

 アメリカで一般的(らしい)なフリーズドライ食品。お湯を入れてかき混ぜて、数分待って出来上がり。作り方は日本のα米と変わらないが、なんといってもおいしい。また量も多く満腹感が良かった。食べる際には、湯を沸かすと同時にソーセージをボイルして一緒に袋に入れて食べていた。1パック2食と書いてあるが、私には1パック+ソーセージで一食分くらいかなという量だった。

 MercedのWalmartでも売っていたので、どこでも手に入ると思う。価格と大きさに目をつむれば、ご当地感もあり間違いなくお勧めできる一品。

 

早茹でパスタ(マ・マー 早ゆで1分30秒クルル)

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC-%E6%97%A9%E3%82%86%E3%81%A71%E5%88%8630%E7%A7%92%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%AB-120g%C3%976%E5%80%8B/dp/B09SKWGSF6?th=1

 お湯を適量沸かし、具と調味料を入れ、パスタをドボン。1.5分後にはパスタが水を吸っていい感じの料理の出来上がり。楽で料理してる気分になれるし、具と調味料を変えればバリエーションは自由自在。君だけの最強のパスタを作ろう! 山行中は粉末トマトとコンソメを持ち歩いていたので、目に付いた食材をぶち込みトマト味にして食べていた。

 

マウンテンミックス

 言わずと知れた登山のお供。アメリカでも例にもれず持参した。中身は柿ピーとM&Ms。行動食はマウンテンミックスと、現地で買ったバー的な補給食だけで過ごした。バリエーションがあると飽きないので、小さいヌードル菓子やドライフルーツなど入れるといいかも。

不要だったもの

サラミ

 タンパク質にと持参したが、塩辛くあまり食べなかった。他の記事を見ると持参するハイカーは多いようだが、5日間の短い日程だったら保存もあまり気にしになくてもよいので、ソーセージの方が慣れた味でいいかもしれない。

 

粉末スポーツドリンク

 塩分・ミネラル補給にと持参したがあまり使わなかった。なによりトレイルの各所に流れる水がウマイ大自然の冷たい雪解け水に混ぜ物は不要。

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移動方法について

Bishop空港

 今回はMono pass trailhead ⇒ Agnew meadowを歩くということで、カルフォルニアの玄関口であるSanFransiscoを起点し、
行き:SanFransisco ⇒ Yosemite Vally ⇒ Mono pass trailhead
帰り:Agnew meadow ⇒ Mammoth Lake ⇒ SanFransisco
の移動方法を考えなければいけなかった。山行記本編で後述するが、日程がタイトだったのでかなりシビアな移動になった。山にいるとき以外は、ほとんど移動してたか寝てたかと言っても過言ではない。

 以下には行き帰りの移動の際に使用した移動方法について書いていく。詳細については山行記本編を参照されたし。

行き(SanFransisco ⇒ Yosemite Vally)

行きの移動方法は

  1. Sanfransisco国際空港 ⇒ MacArthur駅 : Bay Area Rapid Transit(BART)
  2. MacArthur駅 ⇒ Emeryville駅 ⇒ Merced駅 : 徒歩 + Amtrak(鉄道)
  3. Merced駅 ⇒ Yosemite Vally : YARTS(バス)
  4. Yosemite Vally ⇒ Mono pass trailhead ⇒ YARTS(バス)
帰り(Agnew meadow ⇒ SanFransisco)
  1. Agnew meadow ⇒ Mammoth Lake : Mammoth Lake周回バス
  2. Mammoth Lake ⇒ Bishop : バス(Stop 25-Vons Parking Lot発)
  3. Bishop ⇒ Sanfransisco : 飛行機(Bishop空港発)

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おわりに

 以上が、簡単ですが準備に関する記事になります。準備をするにあたって考えられることは無限にあるので、深く考え込んではいけません。現地に行けば、杞憂だったなと思うことがほとんどです。何事も失敗とお勉強なので、当たって砕けろの精神でトライしてみてはいかがでしょうか?